【#中央日報】『反日種族主義』の著者が後続本…「純真な朝鮮少女拉致説は誤り」

「30年間の慰安婦運動が神聖不可侵の権威として君臨した」。昨年7月に『反日種族主義』で波紋を呼んだ李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大教授が後続の著書を出した。11日午前、『反日種族主義との闘争』出版記者懇談会で、李元教授は「10カ月前に『反日種族主義』を出したが、学術書としては珍しく大きな反響があった。憤怒、罵倒、さらには呪いのような攻撃があった。生涯、学問を業として生きてきた人間として誠実に対応するために新たに本を出した」と述べた。最初の『反日種族主義』は11万部が売れ、『日帝種族主義』(ファン・テヨン)、『反日種族主義、何が問題なのか』(キム・ジョンソン)など批判書5冊が次々と出てきた。『反日種族主義』の主張を批判する学術大会も相次いで開かれた。

李元教授をはじめ、金洛年(キム・ナクニョン)東国大経済学科教授、李宇衍(イ・ウヨン)落星台経済研究所研究委員など著者8人は前回の著書に対する批判に再反論する文を載せた。李元教授は特に旧日本軍慰安婦に関する従来の主張を強調した。この日、李元教授は「慰安婦に関する国民的な通念は、総督府の権力の黙認・ほう助・協力の下で日本軍が純真な朝鮮の女性を拉致・連行して行ったというものだ」とし「前の著書でそのような通念を批判したが、それ自体に対する反論はなかったし、むしろ研究者さえもそういう野蛮的な拉致と連行はなかったということを認めた」と述べた。

李元教授は今回の著書で1920-40年代の略取・誘拐犯罪の検挙に対する起訴率を資料として使用した。1923-41年に計4万553人が送検されたが、うち3万9621人が不起訴となった。李元教授は「全体の検挙者のうち有罪を受けた人は10%にすぎなかった」とし「不起訴の根拠は慰安婦本人の就職事由書、戸主の就職同意書などだった」と分析した。すなわち旧日本軍による略取・誘拐犯罪を主張した人たちの大半が強制連行とは関係がなかったということだ。李元教授は「慰安婦全員が略取・誘拐犯罪の犠牲者であるはずはなく、一定部分はもともと売春産業に従事した女性だった」と改めて主張した。

延世大の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授が昨年「慰安婦は売春の一種」という発言をした後、今月処分を受けたことにも言及した。李元教授は「柳教授の講義は日本軍慰安婦制を正当化するものではなかったはず。弱い女性に対する支配権力の性支配と搾取の歴史を単に日本の国家犯罪として切り取って責任を追及する行為が正しくないということ」と述べた。また「公娼制慰安婦制、解放後の韓国軍・米国軍慰安婦制、民間慰安婦制の長い歴史の中で1937-48年の日本軍慰安婦制の歴史的位置を正しく説明する必要がある」と指摘した。

特に最近、慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが「水曜集会をなくすべき」として不参加を宣言し、慰安婦関連市民団体の正義記憶連帯(旧挺身隊対策協)の寄付金使用問題を指摘したことに対しても同意した。李元教授は「若い世代に憎悪心だけを植えつけるのはやめるべきであり、日本大使館前のデモ、造形物設置は国際的な廉恥と礼儀を失ったものだと考えてきた」と述べた。続いて「正義記憶連帯が主導した30年間の慰安婦運動ほど韓国人の歴史意識、特に若者の国際感覚を規定した事件はなく、正義記憶連帯は神聖不可侵の権威で君臨した」と指摘した。

今回の著書は既に最もイシューになった旧日本軍慰安婦に関する内容を最初に配置し、戦時動員、独島(ドクト、日本名・竹島)、土地・林野調査、植民地近代化の5つのテーマで構成した。前書と同じく著者は2018年10月の韓国大法院(最高裁判所)の強制徴用賠償判決を強く批判した。「学術的に問題が多い主張を韓国の大法院が検証なく信頼した」ということだ。また独島については「政治的、軍事的行為の結果として編入された領土を歴史的事件として画一化した固有領土説は非科学的」と主張した。

最後に植民地近代化論について李元教授は「植民地近代化論の元祖はカール・マルクス」とし「インドは英国の支配を通じて再生するといった彼の主張のように、英国・米国・フランスなど少数を除いたすべての国が植民支配を通じて近代化したのが普遍的な歴史だった」と述べた。その根拠に嶺南大経済金融学部のチャ・ミョンス教授の寄稿を今回の著書に載せた。チャ教授は「日帝時代、朝鮮人の実質所得が増えなかったにもかかわらず身長や体重が増えたのは、生産技術が発展した近代経済成長の段階に進んだという意味」とし、日帝時代の変化を18世紀末の英国の産業革命に例えた。