【#中央日報】文句を言っても哀願する先は中国だけ…中国、1日にマスク10億枚輸出

◇「10億」

24日の1日で中国が輸出したマスクの数だ。新型コロナウイルスの渦中に中国がマスクを多く売ったというがいったいどれだけ売ったのだろうか。これを知ることができる数値が中国政府から最近出された。

中国メディア「21世紀経済報道」によると、中国海関総署の金海局長は26日に記者会見し、3月から4月25日までに中国が世界に輸出した防疫関連物品規模を公開した。

最も多く売ったのはやはりマスクだ。この期間に211億枚を売った。1日で最も多く売れた日は24日だが、この日だけで10億枚が海外で売れた。これは先月31日の2億2400万枚と比較すると1カ月で3倍以上に増えた数値だ。

他の医療物品販売も途轍もない。防疫服は同じ期間に約1億1000万着が売れた。ゴーグルは約3400万個、心電図など患者の健康状態を測定する電子モニター機器は11万個だ。体温計も930万個が売れた。手術用手袋は7億6300万枚だ。

売り上げと並び稼ぎ上げた収入も相当だ。海関総署の統計によると先月1日から25日まで輸出した新型コロナウイルス関連防疫物品の売り上げ規模は総額550億元だ。新型コロナウイルス関連防疫物品全体で見ると先月に10億元だった1日当たりの売り上げ規模は4月初めには20億元に増えた。近く25億元に増える見通しだ。中国商務部関係者は25日までに74カ国と6つの国際機関に対し医療物品輸出関連契約を結んだと明らかにした。

欧州などで新型コロナウイルス関連の中国製品の信頼性に疑問を呈する記事が多く出た。不良品のマスクと検査キットを返品したという話も聞かれる。だがそれは中国製品を使わないという話ではない。不安だがそれでも信じられるのは中国だけだ。大量に新型コロナウイルス関連防疫物品を生産できる所が中国しかないためだ。海関総署の統計がこれを傍証する。

◇「残念なのは西欧、泣く泣く中国を頼るしかない」

実際に欧州と米国では中国製品争奪戦が起きている。米ウォール・ストリート・ジャーナルは「中国製の新型コロナ医療品市場が西部開拓時代のような無法天下になっている」と評価した。サプライチェーンが十分でないためどの国でも政府と病院、企業の間でも代金を上乗せして競争する状況が起きているということだ。

同紙によると、医療品確保が急がれる西欧のバイヤーは中国のメーカーに振り回されているという。物品契約を結ぶ時が代表的だ。ほとんどの契約は先払いで結ばれる。中国企業は契約金額の50%を契約書にサインした直後に要求し、残金もマスクが引き渡される前に受け取るという。同紙は「一般的に企業や機関は製品を受け取ってから1カ月にわたり製品品質などに対するチェックを行った後で代金を支払ってきた。だが新型コロナウイルスの渦中で多くが伝統的方式を固守できずにいる」と伝えた。

◇「だから中国の顔色をうかがわずにいられない」

米国と欧州は新型コロナウイルスを広めた責任を中国に問うとにぎやかに話す。だが関連報告書もまともに出せていない。米政治専門メディアのポリティコとニューヨークタイムズなどによると、欧州連合(EU)は21日に新型コロナ問題の間に中国が組織的に虚偽情報を広めた実態を指摘する報告書を出そうとしたが中国の圧力を受け核心内容を削除した。EUに派遣された中国の外交官がEUに、北京では在中EU代表部に圧力をかけたためだ。中国が「草案通りの報告書が出ればEUとの関係が悪化するだろう」として脅したとされる。

新型コロナウイルスは安値で「外注」に出して利益を得ていた米国と欧州に大きな苦痛を抱かせる。ウォール・ストリート・ジャーナルは「マスクをはじめとする医療品争奪戦は西欧がこれまでどれだけ中国に依存してきたかを見せる」と伝えた。それでも方法はない。感染症が落ち着くまではマスク1枚が惜しい。中国を眺めるほかない。

独自のマスク生産基地を持っていなければ韓国も同じことが起きていただろう。胸をなで下ろすところだ。新型コロナウイルスとの戦争の渦中にも韓国の産業ポートフォリオを再点検すべき必要がここにある。